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プロが教える作文教室
子どもにWhy?ではなくHow?と問いかけたい

見守る・褒めるだけでは
意味がない

就学前や小学校入学後の子どもたちには、新たな要素が生活に加わります。
それが勉強。

読む・書く・計算することを学ぶようになり、子どもたちにちょっとした差が見られる場合があります。
文字を書くのが遅いので、ノートが真っ白。字がぐちゃぐちゃで、なにを書いたかわからない。音読が苦手。自分の課題に集中できない。宿題が終わらない。

2年生になっても3年生になっても、読む・書く・計算するがとても苦手なままの子どももいます。ふだんの生活を見ていると、普通におしゃべりするし、話すことは子どもなりの筋が通っている。ゲームはやるし、マンガも読む。友達づきあいも活発。

そんな子どもの様子を見ると、教師も親も「本人が怠けているだけだろう」とつい思ってしまうことがあります。
親については「本人のやる気さえ出れば大丈夫」と見守るケース、「やればできるんだから! あなたはできるのよ」などと褒めて伸ばそうとするケース、「なぜやらないの?」「どうしてできないの?」「できるまで繰り返しなさい」と厳しく接するケースがあるでしょう。
しかし、子どもたちにはなんの効果も生まれません
本人にやる気がないわけではなく、どうやって読んで書いて計算すればいいのか、通常の授業ではわからないからです。わからないことに対して、褒めても厳しくしても意味はありません。
最悪なのは、「もう、やらなくていい」と教師や親が子どもの作業を中断させることです。子どもが傷つくという面だけでなく、「できない課題はやらなくていいんだな」と、ある意味、サボることを肯定する面があるからです。

「学習障害」には
さまざまなタイプがある

全国LD親の会のサイトでは、次のように「学習障害(LD=Learning Disorders、Learning Disabilities)」を定義しています。
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学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する又は推論する能力のうち特定のものの習得と使用に著しい困難を示す様々な状態を示すものである。学習障害は、その原因として、中枢神経系に何らかの機能障害があると推定されるが、視覚障害、聴覚障害、知的障害、情緒障害などの障害や、環境的な要因が直接的な原因となるものではない。
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「学習障害」は、教科書を読むときだけに表れたり、板書を書き写すときだけに表れたり、表れ方は子どもによってかなり違います。

さらに、授業中に、子どもがわざと周囲の子にちょっかいを出して、先生に怒られることで、苦手な音読をみんなの前で行わされて恥ずかしい思いをするのを避けようとするケースもあります。つまり、音読が苦手という傾向が、落ち着きのない乱暴な態度を生み出しているわけです。
結果として、子どもはしかられる場面が増えてしまい、自尊心が傷つけられて、もともと持っていたやる気を失っていくことにつながります。

親が子どもの発達傾向を観察し、理解して、勉強の手助けをする必要もあると私は考えます。
親が「読むことと聞くことが苦手なのね」などと子どもの発達傾向に理解を示すだけでも、子どもの態度が落ち着いたりすることがあるからです。

子どもにはできるだけ
失敗をさせない

子どもへの接し方として、以下の3つが重要だと私は考えます。
(1)ルールを明確にし、子どもだけでなく大人も守る
(2)子どもになるべく失敗させない
(3)学習段階を細かく設定し直し(スモールステップ)、うまくできたら子どもにわかるように褒める


(1)ルールを明確にし、子どもだけでなく大人も守る
子どもは一般に、自分と他人の区別がよくわかっていません。
ですから、よその家にお邪魔したときに断りもなくお菓子を食べてしまったり、他人の消しゴムを勝手に使ってしまったり、友達のゲームを自分も使おうとしたりしてしまうのです。
ですから、自分のことは自分で決める、他人のことは自分では決められないと、親が教える必要があります。
例えば、学校の宿題は自分のやるべき課題だと、子どもは自覚しています。では、課題を終わらせるにはどうしたらいいか、子ども本人に考えさせます。「テレビを見ると宿題ができないから、宿題が終わるまでテレビは見ない」と決めたら、ルールを守らせましょう。「楽しみにしていた番組があるから、宿題まだだけど、見ていい?」と言われたときに、まあいいかと大人がルールを破るのはやめましょう。
大人も、自分が決めたルールがあれば守ります。そうすることで、勉強する生活習慣を子どもが身に着けられるとともに、自分のことは自分で決めるが、どんなに騒ぎ立てても、どんな言い訳をしても自分には決められないことがあることも学んでいくはずです。

(2)子どもになるべく失敗させない
「失敗は成功の母」といいますが、子どもの場合は失敗によって「もう決して自分にはできない」「二度とやりたくない」と、大人の想像以上に自信を失ってしまうことがあります。
ですから、成功させるための手助けが必要です。

(3)学習段階を細かく設定し直し(スモールステップ)、うまくできたら子どもにわかるように褒める
子どもに失敗をさせないようにするため、学習段階を細かく設定するといいでしょう。例えば「『あいうえお』と書きましょう」ではなく、「『あ』と書いてみましょう。書けたら手を挙げてね」と子どもに伝えるのです。
「あ」と書いた子どもが手を挙げたら、親はその手にハイタッチして「よく書けたね」と笑顔で声をかけましょう。無表情で「よし」と言っても、子どもには伝わりません。
自分がやったこと・できたことに対して親に褒められると、子どもは笑顔になります。それが積み重なることで、「自分はできる」とやる気につながっていくのです。

学習障害を告白した
著名人

女装家のミッツマングローブさん。慶應義塾大学法学部政治学科を卒業したインテリですが、学習障害であることを、女性週刊誌のインタビューで話していました。
「量は全然多くないけど、セリフが覚えられないんです。ちょっと記憶の回路がおかしくて。実は私、学習障害なの」(※)
学習障害でありながら、大学に進学できるほどの学力を持っていたミッツマングローブさんは、ご本人なりの工夫を語っていました。
「暗記するときは“絵と音”で覚えるの。だいたい“絵”で頭に入るんですけど。教科書を覚えるときは、人物の顔に落書きをしたり、どこかに線を引っ張ったりして“自分用の景色”を作っていました。今も同じやり方で歌詞や台本を覚える。“自分用の絵”を頭の中に複写して、本番はそれを読んでいるんですよ」(※)
「共演者が“ココに立ったときにコレを言う”というように記憶しているんですよ。だから、少し立ち位置が変わったりすると、前後不覚になっちゃう。セリフ自体、なんて書いてあったかを頭の中で見て思い出すので、口に出すスピードが1~2秒くらい遅れてしまうんです。最終的には何もかもを犬のしつけみたいに繰り返すことで、クセをつけて身体に覚えこませるの」(※)


トム・クルーズやスティーブン・スピルバーグも、学習障害を公表しています。
子どもが学習障害と診断されたり、そのような発達傾向が見られたりしても、将来を悲観することはありません。
進学をあきらめ、親が被害者意識にとらわれるのはやめるべきでしょう。
逆に、過保護にして、「特別な能力があるはず」などと褒めちぎるのも、自信過剰の困った大人になる可能性はあります。

親をはじめ、周囲の大人が子どもに「どうしてできないんの?」ではなく「どうすればできるかな?」と問いかけ、適切な対応を行うことで、子どもが成長したときに仕事や友達づきあいでつらい思いをすることは軽減されるはずです。また、発達傾向を才能や適性として、社会生活で生かしていくこともできるでしょう。

(※)『週刊女性PRIME』2016年1月14日配信版から、ミッツマングローブさんの言葉だけを抜粋