知恵の木

骨盤  運動  名医たち  代替医療  食 

■下痢・便秘を繰り返す過敏性腸症候群は「心の病」ではない!? 発酵食品で悪化も

過敏性腸症候群については「心の病気」と説明されることがあります。

 

「あなたの性格のせいでストレスがたまっているんですよ」

「そんな性格だから病気になっているんですよ」

 

「心の病」という診断には、こんなメッセージが含まれていると感じてしまいます。

 

一昔前は「原因不明だから気のせい」「心の病」とされていた症状が、メタゲノム解析など技術の発展で、原因が突き止められることも少なくありません。そうした可能性もあるのですから、「『心の病』だから私が悪い」「『心の病』だから仕方がない」と自分を責めたり、あきらめたりする必要がないのです。

 

表題については「発酵食品を食べるから過敏性腸症候群になる」ではなく「過敏性腸症候群の場合、発酵食品で症状が悪化することがある」ということ。ストレス→腸内細菌叢の変化→高FODMAP食(以下の原稿で解説)の摂取→過敏性腸症候群という構図です。


過敏性腸症候群のときは発酵食品に要注意!

発酵食品で
腸の病気が悪化!?

 

下腹をいきなりギュギューと締め上げられるような激しい痛み。猛烈な便意。寒気。脂汗。トイレに駆け込み、一息ついて、トイレから出ようとすると、激痛の再発。トイレの出入りを繰り返した後、ようやく痛みが出なくなったら、数日にわたる便秘。ガスがたまっておなかが張り、息苦しい……

こうした腹痛と下痢、便秘に、私は悩まされていました。典型的な「過敏性腸症候群」の症状です。

 

 あるデータによれば、日本人の10人に1人が過敏性腸症候群です。これは氷山の一角と私はにらんでいます。時間的な制約や「どうせ『心の病』と診断されるだけだろう」といった推測などで、受診しないで我慢している人が多数いるはずです。以前の私がそうでした。

 

過敏性腸症候群の症状に悩まされながら、受診をせず、一般に「腸にいい」とされている発酵食品を摂取して自己流で治そうとしている人に、ぜひ伝えたいことがあります。それは、発酵食品などが過敏性腸症候群の引き金になっているという可能性です。

 

つまり、過敏性腸症候群は「心の病」では片づけられないのです。

「気の持ちよう」にされて
追い詰められている患者も

胸やけ・もたれ・胸痛・腹痛・下痢・便秘などが繰り返し起こるけれども、内視鏡検査などで胃や腸には明らかな異常が認められないものを「機能性消化管疾患」と呼びます。過敏性腸症候群は機能性消化管疾患の1つです。


過敏性腸症候群だと検査で異常が見つけられないために、患者の心に原因があるとして心療内科や精神科を紹介されるケースも多いようです。

 

確かに、腸はストレスの影響を大きく受けます。意志とは無関係に臓器の働きや血流などをコントロールしている「自律神経」は、ストレスでバランスが崩れやすいのです。そのため、ストレスで自律神経が失調し、過敏性腸症候群が引き起こされます。

このように「脳腸相関」といって、脳と腸は密接に影響を及ぼし合うこともわかっています。


そのため、過敏性腸症候群は、緊張や不安の強い人、神経質、がんばり屋などに多いと言われてきましたた。「だから気の持ちようで症状は改善する」というわけですが、実生活では仕事があり、テストがあり、子育てがあり、人間関係があります。どんなに腹痛で苦しかろうと、放棄できないことを抱えながら私たちは暮らしているのです。過敏性腸症候群を「心の病」にされてしまって、逆に追い詰められた患者もいるのではないでしょうか。

低FODMAP食で
過敏性腸症候群が改善している

過敏性腸症候群は欧米やオセアニアでも患者が多く、研究が進められています。


最近話題になったのが、オーストラリアのモナッシュ大学の研究チームが発表した「低FODMAP(フォドマップ)食」。FODMAPとは、fermentable oligosaccharides, disaccharides, monosaccharides and polyols(発酵性のオリゴ糖、二糖類、単糖類、ポリオール)の略語です。低FODMAP食によって過敏性腸症候群を改善することが科学的に証明されています。

□高FODMAP食の例

リンゴ、スイカ、ドライフルーツ、タマネギ、アスパラガス、ブロッコリー、マッシュルーム、小麦、アイスクリーム、ヨーグルト、ハチミツ、大豆など

□低FODMAP食の例

バナナ、ブルーベリー、レモン、グレープフルーツ、ニンジン、セロリ、ジャガイモ、カボチャ、米、豆腐、砂糖など


糖類の多くは消化酵素で分解され、小腸で吸収されます。しかし、FODMAPは小腸で吸収されにくいので、そのまま大腸に達します。FODMAPによって大腸内での発酵が進み、過剰なガスが発生。さらに腸の中に水分を引き寄せて、症状を悪化させると考えられています。
そしてソルビトールという糖類が含まれている市販の漬け物やみそは、FODMAPを多く含む食品に分類されています。


以上のことから、過敏性腸症候群に悩んでいる人が、ヨーグルトや漬け物などを食べると、症状が悪化する可能性が高いというわけです。


過敏性腸症候群の人が低FODMAP食を3週間続けると、約70%に症状の改善が見られたという発表があります。過敏性腸症候群と診断を受けた人は、「『心の病』だから仕方がない」とあきらめずに、食事療法に取り組んでみてはいかがでしょうか。

 

 

■産後の体調回復、更年期や月経トラブル解消にお勧めの「鶏スープ」鶏スープ
■鼻詰まりやのどの痛みに「ミントショウガティー」

 

このサイトで紹介している情報は、あくまでも主宰者の個人的な見解に基づくものです。プライベートポリシーもお読みください。

ご連絡はメールでお受けしますが、基本的には個別にお返事を差し上げることをせず、主宰者ブログでの回答となります。過去にいろいろとあり、このような対応になることをどうかご了承ください。 shouchishuppan<at> gmail.com  ※<at>を@に置き換えてください