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■原因不明の痛みから自律神経失調症まで一掃! 簡単「湯たんぽ療法」


「『気のせい』や『心の問題』の痛みなんて存在しませんよ」と断言するのは、青山・まだらめクリニック院長の班目健夫医師。この言葉で、気持ちが救われた患者さんも多いのではないでしょうか。

痛みというものは、実に厄介です。見た目だけでは、痛みの有無がほかの人にはわかりません。だから周囲に理解してもらいにくいのです。痛みで絶えず緊張してイライラし、疲れているのに夜になっても眠れません。

そして病院に行っても、検査で原因が特定できないことが多いのです。私も過去に激しい痛みで受診して、「あれっ? おかしいな~、痛いはずはないのに」と医師が漏らした言葉で、憤りを覚えた経験がありました。

痛みは私たちを孤独の淵に追いやり、生きる希望を奪っていきます。

10年前に43歳という若さで自ら命を絶った、日本テレビの元アナウンサーである大杉君枝さん。亡くなる4カ月前に男の子を出産した。その後、「線維筋痛症」で全身の痛みに悩まされ続け、自宅マンションから飛び降り自殺したと報道されています。生まれたばかりの子どもを残して、耐えがたい激痛と絶望の中、彼女は死を選んだのでしょうか。

班目医師は「痛みについて医師は知識が足りないし、検査も不十分」と指摘します。

すべての痛みには原因があり、自分で取り組める改善法があります。「大事なのは、体を温める習慣です」と班目医師。班目医師は、線維筋痛症の治療に20年も前から携わってきました。そして35%が治癒し、生活に支障を来さないまでに痛みが改善した例は80%に達するのだそうです。

つらい痛みを消すために、どのように体を温めたらいいのか、班目医師に具体的に聞きました。

炎症反応も画像診断の異常もなく
診断できる検査がない線維筋痛症

線維筋痛症は、「広範囲疼痛」に含まれます。広範囲疼痛とは、その名のとおり、体の広い範囲に3カ月以上にわたって痛みを感じる病気です。

線維筋痛症については、医療機関で一般的に行われている検査では異常が見られませんが、痛みが広範囲に及びます。そして、痛む場所が移動したり、日によって痛みの程度が変わったりします。そして痛みに伴って、こわばりや疲労感、睡眠障害、ドライアイなどが現れることもあります。

CRPという炎症反応はなく、CT・MRIといった画像診断でも異常がないため、線維筋痛症と診断できる検査はありません。現在では、1990年に発表されたアメリカリウマチ学会の診断基準が参考にされています。
○全身に18カ所の圧痛点がある
○4kgの力で押したときに11カ所以上に痛みがある
○広範囲の痛みが3カ月続いている

線維筋痛症とともに広範囲疼痛として知られているのが「慢性疲労症候群」。原因不明の強い疲労が6カ月以上も続き、激しい疲労感、だるさ、頭痛、筋肉痛などといった症状が現れます。慢性疲労症候群も、一般的な検査で異常は見られません。

疫学調査によると、線維筋痛症の日本の患者数は約200万人。その約7割が女性で30~40代に多く発症しています。慢性疲労症候群については約36万人とされ、「線維筋痛症と慢性疲労症候群が合併しているケースも多く見られます」と班目医師は語っていました。

 

血流低下と冷え・筋肉のこりが発生して
痛みが現れる

班目医師によれば、画像診断や血液検査でも見つけられない痛みの原因は、血流にあります。血流が低下している状態だと、体が冷え、筋肉にはこりが生じます。

「触診といって、患者さんの体に手で触れて症状を診断する方法があります。痛みを訴える患者さんを触診すると、ほぼ例外なく体が冷えて、筋肉が異常にこっているのです。氷のように冷たい人がいて、体表面温度を測定すると19℃だったこともありました」

健康な人の体表面温度は約35℃なので、痛みがある人は16℃も低かったのです。

血流が低下すれば、体の中央部で産生された熱が手足にまで送られなくなります。こうして体が冷えて、筋肉が緊張して硬くなります。すると血管が圧迫され、さらに血流が悪くなります。
同時に、筋肉に老廃物が蓄積して、こりが生じます。こりは周囲の末梢神経を刺激し、痛みを引き起こすのです。
血流低下と、冷え・筋肉のこりは同時に発生しています。これら3つは、きめ細かな触診でなければ見つけられません。

「『私は顔がほてって熱いので、体が冷えているとは思えない』という人は、要注意です。下半身が冷え切っていて、体熱の分布異常が発生しています」

このように、自覚のない冷え・筋肉のこりもあるのです。

「湯たんぽ療法」で
自律神経失調症も改善

厚生労働省(当時は厚生省)の「慢性疲労症候群研究班」が組織されたのは2003年。それより6年も早くから、班目医師は東京女子医科大学の東洋医学研究所で線維筋痛症と慢性疲労症候群の治療に携わってきました。

「治療を始めた頃は、漢方治療を試みましたが、線維筋痛症の患者さんは実質的には治せませんでした。慢性疲労症候群の患者さんでは、100人に1人がようやく治る程度でした」

東洋医学研究所での9年にわたる臨床経験で治療に改良を重ね、班目医師がたどり着いたのが「湯たんぽ療法」。湯たんぽを使って体を温める習慣です「湯たんぽ療法で、線維筋痛症の35%、慢性疲労症候群では42%が治癒しています」と班目医師。

■湯たんぽ療法のポイント
○容量が2リットル以上の湯たんぽを使う。
○80℃以上のお湯を湯たんぽに入れる。沸騰したお湯が望ましい。やけどに注意。
○湯たんぽの素材はどんなものでもかまわないが、陶器の場合、入れたお湯が冷たくなりやすいうえ、割れる危険もあるのでお勧めしない。
○おなか→太もも→お尻→二の腕の順番で湯たんぽを移動させる。
○1つの部位につき、湯たんぽで温めるのは3~10分。汗をかく前に次の部位に湯たんぽを移動させる。
○湯たんぽはお湯をこまめに取り換えて、1日中使う。外出するときは携帯用の着火式カイロを利用し、お尻までカバーする下着や毛糸のパンツなどでお尻を保温する。

■やり方
1 おなか

いすに腰かけ、湯たんぽを両手でおなかに抱えて温める。
2 太ももの前面
湯たんぽを太ももに乗せ、ときどき位置をずらしながら、ひざから太もものつけ根まで温める。
3 お尻
湯たんぽをいすの背に立てかけて、腰からお尻までを温める。
4 二の腕
テーブルなどの上に湯たんぽを置き、二の腕の裏側を当てて温める。

湯たんぽ療法は、自律神経のバランスを整える効果もあります。自律神経には、活動時に優位になる交感神経と、安静時に優位になる副交感神経があり、この2つが干渉し合って、血圧や呼吸、内臓の動きなどが意志とは無関係にコントロールされています。

「現代の日本人の生活ではパソコンやスマートフォンなどで目と脳を酷使し、その結果、交感神経を優位にして、冷えと筋肉のこりを引き起こしています。湯たんぽで体をしっかりと温めると、副交感神経が優位になり、血流が促されます。そして肩こりや不眠、頭痛、便秘といった、いわゆる『自律神経失調症』も改善されるのです」

班目医師によれば、医療機関をあちこち回っても改善しなかった症状が徐々に消えていき、薬の量を減らせたり、仕事に復帰できたりした人もいるそうです。
「湯たんぽで体を温める」という療法は、シンプルでお金もほとんどかかりません。線維筋痛症も慢性疲労症候群も「改善する」という希望を捨てずに、ぜひ湯たんぽ療法を試してください。

班目健夫(まだらめ・たけお)
1954年、山形県生まれ。1980年、岩手医科大学医学部卒業後、同大学院(病理系)進学、第一内科入局。1984年、医学博士号取得。東京女子医科大学附属東洋医学研究所勤務、同大学附属成人医療センター兼務、同大学附属青山自然医療研究所クリニック勤務を経て、2011年に青山・まだらめクリニックと自律神経免疫治療研究所を開設。西洋医学の専門領域は肝臓学、消化器内科。西洋医学と東洋医学などを融合させた統合医療を研究、実践している。

 

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